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2023.01.06

都市ガスとプロパンガス選ぶならどっちがいい?特徴や料金を解説

更新日:2024年4月17日

 

自宅でガスを利用する際、都市ガスとプロパンガスにはどのような違いがあるのか気になるという方もいるでしょう。ひと口にガスといっても、都市ガスとプロパンガスには異なった特徴があり、利用料金や使い勝手にも差があります。

当記事では、都市ガスとプロパンガスの違いについて比較し、それぞれのメリットとデメリットを解説します。都市ガスを引くかプロパンガス会社を利用するか迷っている方は、ぜひ当記事を参考にしてください。

1.都市ガスとプロパンガスの違いは?

普段何気なく使っているガスの種類には、都市ガスとプロパンガスがあります。ガスの供給方法や重さなどが異なり、例えば都市ガスは空気よりも軽い一方で、プロパンガスは空気より重いのが特徴です。ここでは、それぞれのガスが持つ特徴について詳しく解説します。

1-1.都市ガスの特徴

都市ガスの主な原料は、燃える気体であるメタンを主な成分とする天然ガスで、道路の下に通っているガス導管を通じて供給されます。都市ガスが一部の都市でしか利用できないのは、ガス導管が張り巡らされている範囲に限りがあるためです。

本来のガスは無色・無臭ですが、ガス漏れにすぐ気が付くようにおいが付けられています。また、原料の天然ガスはー162℃まで冷やすと液体となり、体積も600分の1と小さくなるため、輸入時は液化天然ガス(LNG)として運ばれます。気化した天然ガスは空気よりも軽く、都市ガスのガス警報器は部屋の上部に付けられます。

出典:一般社団法人日本ガス協会「都市ガスとLPガスの違い」

出典:一般社団法人日本ガス協会「都市ガス事業の現況2023―2024」

1-2.プロパンガスの特徴

プロパンガスの主な原料は、プロパン・ブタンを主成分に持つ液化石油ガス(LPG)です。LPGは、海外から大半が輸入されており、プロパンガスが入ったガスボンベを事業者が配送して供給します。

都市ガスと同じく、本来のガスは無色・無臭ですが、ガス漏れにすぐ気が付くようにおいが付けられています。都市ガスよりも液化しやすく、-42℃まで冷やすと液体となり、体積が250分の1まで小さくなることも特徴の1つです。空気よりも重いため、プロパンガスのガス警報器は部屋の下部に取り付けられます。

出典:一般社団法人日本ガス協会「都市ガスとLPガスの違い」

出典:日本LPガス協会「LPガスの性質」

2.都市ガスとプロパンガスの料金

都市ガスとプロパンガスの料金を比べると、一般的には都市ガスのほうが安くなります。プロパンガスには、ガスボンベを輸送する人件費などがかかる一方、都市ガスは導管を使って供給されるためコストを抑えられる傾向にあります。

それぞれのガス料金を、料金制度や設置費用なども含めて詳しく解説します。

2-1.都市ガスの料金

都市ガスの価格は、下記の計算式で求められます。

ガス料金=基本料金+従量料金(単位料金×使用量)

基本料金とは使用していなくても必ずかかる固定料金であり、従量料金とは、都市ガスの使用量によって応じてかかる料金で、単位料金に使用量をかけて求めます。

単位料金は原料費調整によって毎月変動します。天然ガスの価格が変動するのに応じて、ガス会社が毎月の料金を調整できるように「原料価格変動による調整額」を設定できるようになっているためです。

東京ガスによると、1か月あたりの一般家庭の平均ガス使用量は、30m³です。

出典:東京ガス「一般家庭での平均使用量が知りたい。」

1か月のガス使用量が30m³の場合、東京ガスを利用したときの都市ガスの使用料は下記の計算式から5,628円となります。

1,056円(基本料金)+152.43円(単位料金)×30m³(ガス使用量)=5,628円

※2024年4月時点の一般契約料金をもとに計算

参考:東京ガス「ガス料金表(家庭用/業務用・工業用 共通)」

都市ガスは運搬コストなどがかからず、月々安いコストで利用できます。一方で利用開始時にはガスの導管を家に引き入れる工事が必要なため、初期費用がかかる点には注意が必要です。工事費は10〜15万円程度が相場ですが、家とガス導管の距離によっても異なります。

2-2.プロパンガスの料金

プロパンガスも都市ガスと同じく、基本料金と従量料金に分かれています。プロパンガス会社によってガス料金は大きく異なるため、あらかじめ料金はきちんと確認することをおすすすめします。

都市ガスとプロパンガスの値段を比較する際は、それぞれの発熱量の違いを念頭に入れましょう。プロパンガスは都市ガスの倍以上の発熱量があり、少しの消費量で多くのエネルギーを得ることができます。

発熱量の違いは、平均消費量の違いにも表れています。1か月あたりのプロパンガス使用量の全国平均は、約11m³です。

出典:日本生活協同組合連合会「「わが家の電気・ガス料金しらべ」報告書(5 月分)」

石油情報センターの統計によると、プロパンガスを10m³使用したときのガス料金は2024年2月時点の全国平均で9,010円です。1か月のガス料金は、都市ガスのほうが安くなる傾向があります。

出典:一般社団法人日本エネルギー経済研究所石油情報センター「一般小売価格LP(プロパン)ガス確報(偶数月調査)」

都市ガスよりもプロパンガスの料金が高くなる理由として、運搬費や人件費にコストがかかることと、初期費用の安さが挙げられます。プロパンガス会社は初期費用を最初に請求しない代わりに、機材のレンタル代や初期費用の分割払い分を月々の基本料金に上乗せしているケースがあります。プロパンガスの適正価格よりも高額なガス代を払っている可能性もあるため、プロパンガス料金は定期的な見直しが必要です。

3.都市ガスとプロパンガスどちらを選ぶといい?

プロパンガスは、都市ガスに比べてガス代が高いものの、同時にさまざまなメリットもあります。どちらのガスを利用するか検討する場合は、メリットとデメリットを把握した上で選ぶようにしましょう。ここでは、2つのガスの特徴と料金を踏まえて、メリットとデメリットを解説します。

3-1.都市ガスのメリットとデメリット

都市ガスの1番のメリットはガス代が安いことです。また環境負荷が低いこともメリットの1つです。都市ガスの原料である天然ガスはメタンが主な成分であり、燃焼したときのCO2の排出量が少ないとされています。同時に硫黄酸化物や煤塵(ばいじん)も発生しないため、都市ガスは環境にやさしいエネルギーと言えるでしょう。

出典:一般社団法人 日本ガス協会「都市ガス・天然ガスとは」

都市ガスのデメリットは、まとまった額の初期費用がかかる点と、災害時の復旧に時間がかかる点です。都市ガスの導管は地中にあり、破損すると修復に時間がかかるほか、周囲一帯の復旧が確認されるまではガスを供給することができません。ただし、都市ガスでは少しずつ早期復旧の取り組みが進んでおり、復旧までの時間が短縮されている傾向にあります。

また都市ガスのデメリットとして、エリアによって使用できないことがある点が挙げられます。都市ガスの利用には地域にガス導管が敷設されている必要があるため、都市ガスが整備されていない地域では利用することができません。

3-2.プロパンガスのメリットとデメリット

プロパンガスのメリットは、全国どこでも使え、災害時の復旧も早い点です。ガスボンベの輸送さえできれば、震災の被災地や仮設住宅での設置や、発電機の燃料としても利用でき、災害時でも使えるライフラインとしても役立っています。

さらに都市ガスに比べてプロパンガスは、2倍以上も火力が高いこともメリットの1つです。都市ガスの発熱量が11,000kcal/m³に対して、プロパンガスは24,000kcal/m³もの火力が出ます。同じ作業をしてもプロパンガスは都市ガスに比べて、半分以下の利用量で済みます。

デメリットとしては、ガス料金が高くなりやすい点が挙げられます。プロパンガスは自由料金制を採用しているため、会社によって料金プランが大きく異なります。同じエリアのプロパンガス会社でも、ガスの販売価格が数倍ほど違うことは珍しくありません。プロパンガスを利用するときは、複数のプロパンガスの会社を検討して、価格が安く透明性のある会社を選びましょう。

まとめ

都市ガスとプロパンガスには、それぞれ異なった特徴があります。都市ガスは料金が安い反面、「災害に弱い」「利用できるエリアが限られている」などのデメリットが存在します。プロパンガスは都市ガスよりもガス代は高くなりやすいものの、どこでも使用でき、火力も高いのが特徴です。

プロパンガスの料金は会社によって差があるため、プロパンガスを利用する際はできるだけ透明性のある料金プランが設定されているガス会社を選ぶようにしましょう。ガス会社を見直し、料金シミュレーションを行うことで、現在よりも安くプロパンガスを利用できる可能性もあります。

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