更新日:2024年4月17日
冬場になると気になるのは、暖房にかかる電気代です。エアコンを使用していると、思ったよりも電気代が高く、できるだけ光熱費を押さえたいと考える方もいるでしょう。電気代の節約方法は多数ありますが、部屋を暖かく保ちながら節約をするにはどうすればよいのでしょうか。
当記事では、暖房にかかる電気代の相場と、電気代の節約方法について解説します。電気代を節約しながら冬を乗り越えるために、ぜひ当記事を参考にしてください。
1.エアコンを暖房で使用したときの電気代は?
暖房器具にはこたつやホットカーペットなどのさまざまな種類がありますが、もっともよく使用されているのはエアコンです。
エアコンは部屋全体の温度を調節できるため、冷房・暖房と1年を通して使用している家庭も多いでしょう。しかし、その分の電気代も気になります。
ここでは、エアコンを暖房モードで使用したときの電気代について詳しく解説します。
1-1.暖房に使う電気代
エアコンの暖房使用にかかる電気代を求める計算式は、以下の通りです。
消費電力(kW)×1kWhあたりの電気料金単価(円/kWh)=1時間あたりの電気料金(円)
例として、暖房使用時の消費電力量が660W(=0.66kW)の10畳タイプのエアコンの電気料金を求めます。
電気料金単価は、新電力料金の目安単価である「31円/kWh」とします。
出典:公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会「よくある質問 Q&A「カタログなどに載っている電気代はどのようにして算出するのですか?」」
計算式は以下の通りです。
0.66(kW)×31(円/kWh)=20.46(円)
この場合、1時間あたりの電気料金は20.46円であることが分かります。
また、仮に1日あたりの暖房稼働時間を6時間、1か月あたりの暖房稼働日数を25日とすると、1か月のエアコン暖房の電気代計算方法は以下の通りです。
20.46(円)×6(時間)×25(日)=3,069(円)
この場合、1か月あたりのエアコン暖房にかかる電気代は3,069円であることが分かります。
1-2.冷房よりも暖房のほうが電気代は高い?
エアコンの電気料金は、設定温度と室内温度の差が大きいほど高くなります。冬は特に室内温度との差が開きやすいことから、多くの家庭では、冷房料金よりも暖房料金が高額となっているでしょう。
夏場の室内温度は33度前後です。エアコン冷房の設定温度を28度と想定すると、その差は5度程度となります。対して、冬場の室内温度は12度前後まで下がるため、エアコン暖房の設定温度を20度とすると、その差は8度ほどです。
エアコンは冷暖房機器の中でも立ち上がりに時間がかかるのが特徴であり、室温を設定温度まで調整する過程でもっとも電力を消費します。冬場は約8度もの差を埋めて部屋を暖める必要があり、温度差が小さい夏場よりも電気代が高くなりやすい傾向です。
2.電気代の節約方法
エアコン使用による暖房代を抑えたいのであれば、節電を心がけることが重要です。しかし、単に暖房の使用時間を減らすだけでは、快適な室内温度を保てません。
寒さを感じずに節電効果を得るには、エアコン使用時間の調整以外にさまざまな工夫が必要です。ここでは、室内温度をキープしながら電気代節約を叶えるコツを3つ紹介するため、ぜひ参考にしてください。
2-1.湿度管理を行う
人の体感温度は湿度によっても変化します。冬場は部屋の湿度を上げると、同じ室温でも暖かく感じることが可能です。
乾燥した空気は、人間を含む周囲のものから水分を奪う性質があります。そのため、湿度が低いと汗の蒸発が促進され、体温が下がりやすくなります。対して、湿度が高いと汗の蒸発が抑制されることから、体感温度が高くなりやすい傾向です。
冬場は特に空気が乾燥するため、部屋に加湿器を置くなどして湿度を管理しましょう。適切な湿度を保つことで、喉や肌の乾燥を防ぐ効果も期待できます。
2-2.暖かい空気が逃げない工夫を行う
エアコン暖房をつけても部屋が暖まりにくいのは、窓や外壁、床などから暖かい空気が逃げていることが原因の1つです。
室内の熱が外へ逃げる際、そのうちの半分以上は窓から外へ出ていることが分かっています。暖房効率を上げるには、カーテンや窓を断熱性が高い仕様の製品に交換するのが有効です。
カーテンの交換は、コストを抑えて簡単にできる断熱対策の1つです。熱を移動させにくくする断熱カーテンを使用すれば、窓から熱が逃げるのを抑えられます。断熱カーテンと混同しやすい製品に遮光カーテンがありますが、遮光カーテンは断熱性能に特化した製品ではないため注意してください。
また、二重窓や樹脂サッシには高い断熱効果があるため、窓やサッシを交換するのも有効な方法です。ただし、工事の際はいずれも高額なコストが必要となります。
2-3.他の暖房器具と併用する
エアコンを他の暖房器具と併用すると、効率よく部屋を暖めることが可能です。
以下では、暖房器具ごとの特徴を解説します。
・電気ストーブ
電気ストーブは足元に置いて使用するタイプの暖房器具です。部屋全体の空気を暖める効果は小さいものの、直接身体を暖められるため、すぐに効果を感じやすいという特徴があります。家族全員で過ごす際はエアコンをつけ、リビングに1人でいるときは電気ストーブを使用するなど、場面に合わせて使い分けるのがおすすめです。
・ガスファンヒーター
ガスファンヒーターはガスを燃やして暖める暖房器具であるため、電気代を最小限に抑えることが可能です。冷え込む時間帯にエアコンの補助的に使用するのはもちろん、部屋全体を暖めるメインの暖房器具としても使用できます。ただし、使用時は定期的な換気が必要となるため、その際に暖かい空気が逃げやすい・冷気が入りやすいというデメリットもあります。
・床暖房
床暖房は、床そのものから直接足に伝わる熱と、床から空間全体に広がる熱の2つで暖める暖房器具です。優しい熱でじんわりと暖めるのを得意としているため、部屋全体が暖かくなるまでに時間がかかります。エアコンと同時にスイッチをつけ、ある程度暖まってからは、床暖房をメインに稼働するのがおすすめです。
・電気こたつ
電気こたつは足元やお腹から直接身体を暖められる暖房器具です。室温によっては電気こたつのみで十分暖かく感じられることもありますが、真冬の寒さの中では、こたつから出ている上半身に厳しい冷え込みを感じられるでしょう。朝・晩や特に気温が低い日には、エアコンと併用して使用するのがおすすめです。
・電気カーペット
電気カーペットは電気で暖めるカーペット型の暖房器具です。床暖房と同じく足元から直接暖まることが可能ですが、電気カーペットは部屋全体を暖める効果は期待できません。エアコンと併用して使うことで、足元からの暖かさを感じられる分、エアコン設定温度を低くできるでしょう。ただし、長時間使用し続けると低音火傷の可能性もあるため注意してください。
3.光熱費を抑えて生活するには?
暖房使用に関する電気料金節約には、エアコンと他の暖房器具をうまく使い分ける・併用するなどのさまざまな工夫が必要となります。また、1か月あたりのトータルの光熱費を節約したい場合には、電気・ガスの見直しを行うのも重要です。
多くの電力会社・ガス会社では、契約者のライフスタイルに合わせたいくつかの料金プランが用意されています。「床暖房を利用する人にお得なプラン」や「ガスファンヒーターをメインとして使う人にお得なプラン」など、その内容はさまざまです。
料金プランの見直しによって光熱費を抑えられるケースもあるため、まずは契約先の電力会社・ガス会社に相談してみましょう。
また、電力会社・ガス会社の乗り換えを検討するのも1つの手です。最近ではポイントバックに力を入れている会社も多いため、単純な料金だけでなく、ポイントバック率も含めてお得な会社を選択しましょう。
注意点として、料金が安い電力会社・ガス会社の中には、「契約初年度は安く、その後は料金を上げる」という手法をとる会社も少なくありません。契約内容をよく確認して、慎重に乗り換え先を検討してください。
まとめ
エアコンを暖房で使用するとき、エアコンの機種によってかかる電気代には差がありますが、一般的には冷房よりも暖房のほうが電気代が高額になりやすい傾向にあります。暖房の電気代を節約するには、湿度管理を行ったり、他の暖房器具と併用したりするとよいでしょう。
また、電力会社・ガス会社の乗り換えを検討するのも1つの手です。特にプロパンガスを使用している方は、プロパンガス会社を見直すことでガス代を節約できるケースがあります。エナキスでは透明性のある料金システムでプロパンガスを提供しているため、プロパンガス会社の乗り換えを検討している方はぜひご検討ください。