引越し・住宅購入(建築)の際は、電気・ガス・水道といったライフラインの使用開始手続きを行わなければなりません。この手続きを行うときは、同時に各サービスの提供会社と契約する必要があります。なお、契約者となるのは主に「持ち家を購入した人」や「集合住宅・賃貸物件のオーナー」です。
当記事では、プロパンガス会社の契約方法について、その流れや契約時の注意点を挙げながら詳しく紹介します。プロパンガスを利用しようと考えている人・プロパンガス会社との契約を検討している人は、スムーズに契約を進めるためにもぜひ参考にしてください。
1.プロパンガスの契約方法
プロパンガス市場は1997年から自由化されているため、持ち家の所有者や集合住宅・賃貸物件の建物オーナーは契約したいプロパンガス会社を自由に選ぶことが可能です。では、プロパンガス会社と契約する際はどのような流れで進めることとなるのでしょうか。
プロパンガスの新規契約における基本的な流れは、下記の通りです。
- プロパンガス販売店を選ぶ
- ガス会社に訪問してもらい見積もりをする
- 立ち合いのもと開栓し契約を交わす
まずは、上記それぞれの流れについて詳しく紹介します。
1-1.プロパンガス販売店を選ぶ
プロパンガスは自由化されているため、各地域のプロパンガス会社と必ず契約しなければならないという決まりはありません。しかし裏を返せば、自分でプロパンガス会社を選ぶ必要があることとなります。新築・中古に限らず一戸建て物件を所有している場合は自分で1から探して選び、賃貸物件に住む場合は大家さんに紹介してもらうことが基本です。
プロパンガス会社は全国数多く存在しているうえ、自由料金制が設けられていることにより各会社で料金設定が大きく異なるため、膨大な数の業者の中からサービス内容・料金ともに納得のいく業者を契約先として選ばなければなりません。
下記の記事では、プロパンガス会社の選び方・ポイントを詳しく紹介しているため、こちらも併せてぜひ参考にしてください。
1-2.ガス会社に訪問してもらい、見積もりをする
契約したいプロパンガス会社をいくつかピックアップできたら、見積もりの問い合わせをします。問い合わせをすれば、業者が実際に住宅を訪問し、初期費用や毎月どのくらいのプロパンガス料金が発生するのかといった見積もりを出してくれます。
契約する住宅にガス機器がない場合は、ガス管や各ガス機器の購入・設置・導入工事を行わなければなりません。プロパンガス会社では、主に購入・設置・導入工事にかかる費用を初期費用として一括で支払わなければならないケースと、毎月のガス代に上乗せして支払わなければならないケースの2つがあります。そのため、見積もりの際は「総合的に見てどのプロパンガス会社がお得なのか」をしっかりチェックしましょう。
また、重要なのは金額だけではありません。見積もりに訪れた業者の対応や知識の豊富さなど、さまざまな視点から「信頼できる業者かどうか」を比較することも大切です。
1-3.立ち合いのもとで開栓し、契約を交わす
都市ガス・プロパンガスにかかわらず、ガスの開栓時には立ち合いが必須です。プロパンガスは危険物にあたるため、取り扱いには専門の免許が必要となります。自分で開栓・閉栓することは、絶対に避けてください。
開栓・立ち合いの日程は、事前に契約したいプロパンガス会社と連絡をとって決めます。土日祝日を問わず対応してくれることが基本ですが、土日祝日は多くの人の依頼が集中するため、開栓希望日の2週間前などなるべく早い段階で予約しておくようにしましょう。
開栓まですれば、いよいよ本契約が開始します。立ち合いの際に再度契約内容に関する説明や書類・資料などが渡されるため、改めてしっかりと確認しておきましょう。
2.プロパンガスを契約するときの注意点
プロパンガスは販売店を自由に選べますが、「よい販売店」はどのような販売店なのかを理解しておかなければ、契約後に後悔してしまう可能性があります。優良会社と契約するためには、契約前に気を付けなければならない点をいくつかおさえておきましょう。また、プロパンガスを契約する住宅によってもチェックポイントが異なります。
最後に、プロパンガスを契約するときの注意点を、「新築一戸建ての場合」「中古一戸建ての場合」「集合住宅・賃貸物件の場合」に分けて紹介します。
2-1.新築一戸建ての場合
新築一戸建ては、いわば「何もない状態」となるため、ガス会社と契約の際はガス関連機器(配管・給湯器など)の購入・設置・導入工事が必要となります。このとき注意しておきたいのが、「無償貸与契約」です。
無償貸与契約とは、プロパンガス会社が「一定期間ガスを供給する」という条件で、販売・設置したガス設備費用を負担する、というものです。無償貸与契約を行うプロパンガス会社の場合、「ガス設備の購入・設置・導入工事費用は無料」というイメージが強いため、一見するとお得感があります。しかし、実際は毎月の料金に上乗せされているケースも珍しくありません。
プロパンガスは自由料金です。そのため、いつプロパンガス会社が価格を変更するかは分かりません。無償貸与契約サービスに関するトラブルを避けたいなら、ガス設備の購入・設置費用を初期費用として一括で支払える業者を選んだり、今後の料金体制・解約金について情報を確認したりすることをおすすめします。
また、新築一戸建てを建築する際は不動産会社や建築会社がプロパンガス会社を紹介してくれるケースもあります。しかし、これらは単純に提携している会社を紹介しているだけであるため、鵜呑みにせず自分でしっかり比較検討することが大切です。
2-2.中古一戸建ての場合
中古一戸建ての場合は、前所有者が契約していたガス会社のガス機器(ガスメーター・ガスボンベなど)が残っている場合があります。それらの機器にはガス会社の名前が必ず記載されているため、メモしておくようにしましょう。
残置物であるガス設備のガス会社と契約しなければならないという義務は一切ないため、そのままそのガス会社と契約するかほかのガス会社と契約するかは、現在の住宅所有者が自由に選択できます。いずれにおいても、契約は慎重にしましょう。
前述の通りプロパンガス会社は自由料金制がとられているため、より安く契約できる会社がある可能性もあります。しかし、現在、自宅に設置されているガス設備が、新しく契約したいガス会社で使用できるとは限らず(契約の問題があるため)、その場合は設備の撤去を依頼しなければならない点にも注意が必要です。
また、築浅物件の場合は残存していたガス設備の分割払いが残っている可能性もあるため、併せて確認が必要となります。
2-3.集合住宅・賃貸物件の場合
集合住宅・賃貸物件の場合、プロパンガス会社との契約者は基本的に大家さんになります。物件の所有者ではなくなるため、一戸建て住宅(持ち家)と違って自由にガス会社を選んだり変更したりすることはできません。
中には、大家さんに交渉することでガス会社を切り替えてくれる可能性もゼロではありませんが、一戸建て賃貸でなければ基本的には不可能だと考えておきましょう。賃貸マンション・賃貸アパートの場合、各部屋の住人が同じガス管を共有することとなり、入居者1人の希望でその部屋だけガス会社を変更することは困難なためです。
また、たとえ一戸建て賃貸であっても大家さんによる契約変更が容易というわけではありません。プロパンガス会社によっては契約期間内の解約に違約金を定めているケースもあるため、切り替えの交渉に応じてくれるかどうかはいずれにしても大家さん次第となります。
契約したいプロパンガス会社がある場合は、引越し先を決める際にガス契約の内容や基本料金などについてしっかり把握しておくことが大切です。
まとめ
プロパンガスの契約における基本的な流れは、「(1)プロパンガス販売店を選ぶ」→「(2)ガス会社に訪問してもらい見積もりをする」→「(3)立ち合いのもと開栓し契約を交わす」の3ステップです。よいプロパンガス会社と契約するためには、各流れにおいて、金額はもちろん、業者の対応やサポート体制などをしっかりチェックするようにしましょう。
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